叔父のこだわりが、不動産売却を遅らせた――でも、最後は“信頼”が道を開いた

「不動産を売却したいんですけど…」

ある春の日、一本の電話がかかってきま
した。声の主は、控えめな話し方をする
40代の女性。

彼女の悩みは、亡くなったお爺さん名義
の土地の売却について。けれど、話を聞
いていくと、相続が二代にわたって絡
む、少し複雑なケースでした。

相続関係の全体像

・祖父名義の不動産を、父と叔父
 (父の弟)が相続

・その後、父が亡くなり、兄が代表して
 相続登記

・相続人は兄弟3人(兄・相談者・妹)

・持ち分は、兄が1/2、叔父が1/2

・売却後は、兄妹3人で分配予定

一見すると、話はまとまっているように
思えました。

「知り合いの業者に任せたい」

叔父の一言

最初の打ち合わせで、叔父さんが
強く主張しました。

「売却は、私の知ってる業者に頼む 
 つもりなんでね」

兄や相談者も、その場では強く反論
できず・・・。結局、私とその業者との
“競争”による一般媒介契約となりまし
た。

情報発信も内覧対応も不十分

叔父が連れてきた業者は、売却活動に
積極的とは言えませんでした。

・物件の魅力を伝える努力が見えない

・現地確認すら不十分

・問い合わせも少ないまま時間だけが
 経過

一方、私はこまめに現地を整備し、写真
も工夫し、丁寧に物件の特徴を発信しま
した。

「専任でお願いできますか」相談者の連絡

3か月後、相談者の女性から連絡が入り
ました。

「すみません・・・叔父も納得したの
 で、専任でお願いできますか?」

ようやく、専任媒介契約に切り替わった
のです。

1か月後、買主が見つかる

専任になってからは、動きが一変。

・ターゲットを明確にした広告展開

・現地での丁寧な案内と説明

・物件の“売り”ポイントを視覚的、
 体感的に訴求

その結果、わずか1か月で売買契約が
成立しました。

「あの時、お願いして良かったです」

契約後、相談者の女性が涙ぐみながら
伝えてくれたひと言。兄妹3人が和やか
に握手を交わす姿が、今でも忘れられま
せん。

この経験から得た教訓

・相続関係は早期に整理を:関係者を
 把握し、協議体制を整えることが大切

・「知り合いの業者」より「実務能力と
 信頼」:実績ある専門家の選定が重要

・感情面のフォローも仕事の一部:信頼
 関係の構築が、案件成功のカギになる

あなたのまわりにも、相続したままの
不動産はありませんか?
「売るかどうかはまだ決めていない・・
・」そんな状態でも、ご相談は可能で
す。

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